青森の未来を耕す人たち

写真:吉田久幸氏

オール青森で作った「あおもり藍」を世界に発信する

- なぜ「あおもり藍」をやろうとお考えになったのですか?

初めて藍の花を見たのは、友人に誘われて弘前大学の藍研究会に参加した時のこと。スライドに映し出されたピンクの花がすごくきれいだったので、「休耕田を活用して藍を植えれば景観も良く、藍を活用したビジネスが興せるのでは」と、考えたんです。そこで、私が営む縫製業と、印刷業、電気設備業、刺しゅう業の異業種4社が、それぞれの得意分野を活かそうと集まって、「あおもり藍産業協同組合」を設立しました。

写真:あおもり藍で染めた服

- いろんな分野の方が参加されたのですね。それによって、どんな効果がありましたか?

私たちは、個々に専門分野は持っているものの、藍染めに関する知識はゼロ。さらに、藍を栽培する農家も初めての経験で、専門家が一人もいない状態でのスタートでした。ですので、何百年もの伝統がある職人と同じことをやっても勝てるわけがありません。そこで、私たちは、藍染めの既成概念にとらわれず、柄物の布や木、革の藍染めなど、まだ誰もやっていないこと、少しでも可能性がありそうなものに挑戦し続けました。何もわからない素人だからこそ、型にはまらない自由な発想がいかせたのかも知れません。

写真:あおもり藍で染めた服

力を結集しオンリーワンの高い技術を確立

- 「あおもり藍」は自由な発想と常識への挑戦から生まれたのですね。「あおもり藍」の特徴を教えて下さい。

試行錯誤の末に生まれた独自の技術は、全工程をデータ管理することにより、職人の技量に左右されず品質を一定に保つことができます。それによって、地元の若者の雇用にもつながり、現在、若い女性たちが地元への誇りとやりがいをもって働いています。

また、「あおもり藍」は藍白から濃藍まで8色に染め分けることができ、「藍染めといえば濃紺」という既成概念を打ち破りました。ニューヨークの展示会でも「きれい!」と賞賛の声が上がり、もともと藍染めの文化があった青森で産業として復活させたこと、休耕田を活用して栽培していることなど、「あおもり藍」が誕生したストーリーも高い評価を得ました。東京のデパートで行われた企画展では、30を超える有名ブランドが、「あおもり藍」のデニム、シャツ、シューズなどのアイテムを発表し、会場は「アオモリ・ブルー」に染まりました。

- 「アオモリ・ブルー」、本当にきれいですね。今後の抱負を教えて下さい。

私たちは、異業種の集まりだからこそ、それぞれの立場で意見を交わしながら、どこにもない新たな価値を生み出すことができたと思っています。昨年の暮れには、皆様の力を借りて欧州へも行って参りました。ここでは世界的なブランドともお話しさせて戴く機会になりました。そこでも無農薬の藍や休耕田活用への評価を戴きましたが、一番評価戴いたのは、地域の仲間、応援して戴ける方々含め、青森という地域の取組に成長しつつあることでした。今後も、さまざまな分野と連携しながら力を結集させ、「あおもり藍」を世界に発信していきたいですね。

青森の先人達は、こぎん刺しなど様々な形で藍を活用し、青森特有の文化に織り込んできました。あおもり藍は、伝統に新しい発想を取り込んで、世界が認める「買ってよし」の青森の価値を確立しつつあります。

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